正義の味方として、ニューヨークの市民から賛辞をあびる「スパイダーマン」ピーター・パーカー（トビー・マクガイヤ）。愛するメリー・ジェーン「MJ」（キルステン・ダンスト）とも未来を誓い合い、素晴らしい日々を送っていたのだが……

自分の未来に不安を抱くMJと、市民からの賛辞に浮き足立つピーター。そんな二人の関係は徐々にすれちがっていく。
そんなある日、謎の黒い液状生命体が取り付き、スパイダーマンを黒く染めた！
黒スパイダーマンは正義の味方なのか、もしくは……！？

今回の「スパイダーマン3」には、敵やら味方やらがいくつも出てくる。1人倒したと思ったら次の敵、そしてまた最初の敵が別のやつと手を組んだり。さらにスパイダーマンが黒くなったり赤くなったりと、とにかく大忙し！

それに「黒」というと、まるで悪いやつのイメージだけど、黒スパイダーマンは決して悪者ではない。どちらかというと、より「人間ぽい」。今までのヒーロー「正義の味方スパイダーマン」とはひと味ちがい、1人の人間として「怒り」や「哀しみ」「傲慢さ」などがより強くなって表れたのが黒スパイダーマンなのだ。

ご存知のとおり、ピーター・パーカーは大人しくて目立たない、勉強好きの若者である。愛するMJにもなかなか告白できずに（しようと思ってもなぜかいつも出来ずじまい）グズグズしている、私から見るとほんっとにイライラする青年なのです。しかも鈍感だからMJの悩みや不安なんて、全然感じとってあげられない。ああ、もう！　なんでわからないの！？

正義のヒーローが大活躍するスカっとした部分もあり、愛や友情など、複雑な人間模様が絡み合って考えさせられる部分もあり、と、一筋縄ではいかないこの「スパイダーマン3」。ただのアメリカンコミック物と思ったら大間違い！　必見です！

text by...  たるぴ

2007/04/28