黄金の裏には、決してのぞいてはいけない秘密がある―。

【ストーリー】
中国、五代十国、後唐の時代。
贅の限りを尽くした宮廷で、栄華の頂点に君臨する、まばゆいばかりの王家の一族。
絶対の権力者たる王、気品あふれる王妃、心優しい皇太子、武力に秀でた第二王子、そして無邪気な第三王子。それが黄金の一族の穢れなき肖像。

しかし、その裏で王が企てる王妃の毒殺、それを知りながら毒入りの薬を飲み続ける王妃。そして、三人の王子たちも個々に問題を抱えている。
全員がそれぞれに秘密を持ち、策謀をめぐらし、殺意を抱きあう凄まじい人間模様。絡み合う愛憎はいくつもの悲劇を呼び、やがて国を揺るがすまでの惨事を引き起こす。

【みどころ】
映像はとにかく色鮮やかで、まばゆい。そして、とにかくゴージャス。
黄金の柱600本もある宮廷内のセットから、豪華な衣装3000枚、1kmにも達する絹のじゅうたん、宮廷エリアを埋め尽くす300万本の菊の花……など、すべてのスケールが大きい。

アクションにも力を入れており、特に、クライマックスの戦闘シーンは圧巻だった。
人・人・人……。一体どこからあんなに出てきたのだろう。かなりの人数でビックリした。

王妃役のコン・リーは、今回の映画でも美しく迫力のある演技を披露している。王妃としての気品、母としての愛情、女としての嫉妬と憎悪、あらゆる表情を見せている。そんな王妃の姿につい引き込まれてしまう。泣く姿がきれい。改めて、魅力的で華のある女優なのだと感じた。
王を演じるチョウ・ユンファも存在感があり、悪役がはまっていた。

中国の古語で「外は金銀宝石。内はクズ」という言葉がある。テーマもそこにあり、表面上はきれいに取り繕っていても、お互いに探りあい憎みあう、機能不全に陥った家族。その家族のすがたを豪華に、絢爛に描いた映画である。


text by...  向日葵P

2008/04/14