－プロレスラーを目指されたきっかけは？

子供のころから兄貴とよくプロレスを見てたんです。そのころから「絶対なってやる！」って思ってました。
タイガーマスクが好きでしたね。リアルタイムでは知らないんですがDVDを見まくってました。

－具体的な行動を起こされたのは？

中学校を卒業した時が最初ですね。両親に言ったんですよ「家を出てプロレスラーになる」って。さすがに反対されましたね。せめて高校はでておけ、ともいわれました。特に母親には大泣きされました。泣かれたのは初めてでしたのでびっくりしましたね。

－では高校卒業後にプロレスラーの道へ？

いや、そうはできなかったですね。家を出て一人で生きていくわけですからお金が必要だったんです。お金なかったですからね。で、高校の先生とも相談して、自衛隊に行くことにしました。自衛隊なら、お金もたまるし、体も鍛えられるしちょうどいいだろうと。任期が2年だったので、2年間頑張ろうと決めました。

－2年後には晴れてレスラーの門をたたき・・・

ではないんですよ。結局、自衛隊には5年いました。実力が認められてレンジャー部隊に配属され、そこでも上司にとても評価されなかなか辞めさせてもらえなかったんです。仕事はとても好きでした。自衛隊の仕事って、やりがいも楽しみも大きかったんです。絶対誰かがやらなきゃいけない仕事だし、一時期は「このまま自衛隊にいてもいいな」とも思ってました。
でも、プロレス雑誌の「練習生募集」の記事を見た時に、やっぱり子供のころの夢があきらめきれず「挑戦しよう」って気持ちを決めました。

－なぜドラゴンゲートだったのですか？

タイガーマスクが好きだった事が影響してます。スピードのあるプロレス、ルチャスタイル（メキシコのプロレススタイル）に憧れがあったんです。で、ドラゴンゲートなら方向性が合っているなと思ったんです。
また、ドラゴンゲートは体重や身長の制限がなかったというのもありましたね。

－練習生の期間はいかがでしたか？

練習生期間は半年ありました。きつかったですね。一日でやめた仲間もいましたよ。レスリングでかなりの成績を残してたっていう者でもボロボロになってました。
同期が25名くらいいたんですが、デビューできたのはごく一部。ちなみに、今残っている同期は鷹木信悟と戸澤陽（アキラ）と私の3人だけです。

－その後いよいよデビュー？

いえ、なかなかデビューできなかったんですよ。練習生期間が終わって半年してもデビューできなかったんです。今までずっとあきらめなかったプロレスラーへの夢ですが、この時は本当に「もう辞めよう」って思いました。
ドラゴンゲートを辞めて普通の生活をしようと、北海道の知り合いの人の会社に内定までもらってましたから。「これからはサッシの取り付けをがんばろう！」って（笑）。

－就職先を決めていたほど決意は固かった？

はい。で、辞めますって言おうと先輩に話をすると「諦めるな。もうちょっと頑張れ」って言われたんです。
偉大な大先輩に言われて「もう一回がんばろう」って思えました。でも、そこからさらに半年かかりましたけどね（笑）。

－デビューの時の感想は？

緊張しましたよ～。いきなり1,800人の大観衆の前で、しかも会場は地元でもある北海道は札幌。他人の視線なんて、せいぜい練習で先輩にみてもらうくらいの経験しかなかったのですが、ファンの皆さんの前での試合は、練習とは全然違いました。

－「みられる」と「みられない」ってちがいますか？

まったく違いますね。プロレスでは「痛み」や「スピード」そして「伝わりやすいレスリング」が必要だと思っています。そのためには体の隅々まで意識したきれいな動作が重要です。

－「伝わりやすさ」が必要？

はい。プロレスって「何かを見せて感動を与える」っていう部分では舞台やステージなんかと似ていると思うんですね。だから、いろんな芝居を見たり、音楽のライブにいったりもします。「みられている」という部分では同じなんで勉強になります。

－ドラゴンゲートの拠点である神戸で好きな場所ってありますか？

三宮にはよく出ますね。先輩レスラーと飲みに行きます。
食べ物でいえば、かつ丼の「三六八（さむや）」によく行きます。ボディアダプトっていうドラゴンゲートオフィシャルショップと同じビルの一階にあるんですが、そこのかつ丼はボリュームあってうまいっすよ。
あと、ちょっとしたオフがあると行きたいのが動物園。動物が好きなので王子動物園なんか好きですね。

－動物園、って少し意外ですね

動物が大好きなんですよ。以前も北海道の友人と一緒に行って、ずーっと見てましたよ、象を（笑）。
「でけーなー」「頭に毛が生えてるなー」「やけに目がかわいいなー」って思いながらずっとみてます。
7月19日(日)に神戸ワールド記念ホール大会っていう年間で一番大きな大会がワールド記念ホールで開催されます。それには関西地区の方だけでなく、私の地元北海道のファンの方々をはじめ、全国からがファンの皆さんが集まります。神戸近郊以外から観戦にこられる方には、試合前に王子動物園に寄ってからワールド記念ホールへ。これ、お勧めコースですね。

－7月ってもうすぐですね。

はい、ドラゴンゲートの選手はみな、7月19日（日）の神戸ワールド記念ホール大会に向けて気持ちを盛り上げていってます。

－神戸のファンは、そのようなビッグイベントが近くで行われるってうらやましいですね。

神戸ワールド記念ホール大会もそうですが、神戸エリアのファン方は、新人選手の活躍を見ることができるという良さもありますよ。
ドラゴンゲートには「DRAGON GATE NEX（※以下NEX）」というデビューしたての新人たちを中心とする大会が用意されています。現在、新人たちは、まずこのＮＥＸのリングでデビューすることになっています。このＮＥＸは、自分がデビューしたころにはまだ発足されていませんでしたので、「自分もＮＥＸでデビューしたかったな…」って、今は思います。

－DRAGON GATE NEXの見どころを教えてください

「新人レスラーたちの成長を追いかけること」が出来ることですね。プロレスラーにとって「ファンの皆さんの前で試合をする」っていうのは本当によい経験の場なんです。
観客の目を意識にしないと動きが小さくなってしまい、ファンの皆さんにとっては良い試合に見えない。ファンの皆さんに間近で試合を見てもらうことの出来るDRAGON GATE NEXのリングは、新人レスラーにとってはまさに絶好の経験の場です。
ＮＥＸの大会は、そのほとんどを神戸の本社ビルにある「ドラゴンゲートアリーナ」で開催しています。これはDRAGON GATE の地元・神戸を中心とした関西近郊のファンの方々だけの特権かもしれませんね。

－最後に読者の方に、一言お願いします！

プロレスって、男性の人しか見ないイメージがありますが、特に女性の方に見に来てほしいって思ってます。
「プロレス」ではなく「ドラゴンゲート」を見に来てほしいんです。
アクロバティックなレスラー、スピードのあるレスラー、コミカルなレスラー、踊れるレスラー（編集部注：Ｂ×Ｂハルクさんご本人です（笑））、他にもいろんな個性を持ったレスラーがいますので、きっとお気に入りのレスラーが見つかるはずです。
日常ではありえない世界をみて、ストレス発散、気分のリフレッシュをしてください！



－どうもありがとうございました。

試合前のお忙しい時間にも関わらず、気軽に取材に応じてくれたＢ×Ｂハルク選手。始終、熱心にお話をしてくださいました。
ハルク選手といえば、入場時のダンスが印象的なのですが、実はもともとダンスは苦手で「盆踊り程度」しかできなかったとか。しかし、今のハルク選手が見せる、「自分でデザインした」というオリジナルコスチュームでの華麗なダンスは多くの観客を魅了しています。
もちろんダンスだけでなく試合の方でも華麗な動き、スピーディーな動きを見せてくれるＢ×Ｂハルク選手、今後のますますの活躍を期待しています！

＊＊＊編集後記の後記＊＊＊
これまで毎回『女子大生フジ子』がお届けしておりましたが、Ｂ×Ｂハルク選手のインタビュー当日、授業のためフジ子ちゃんはキャンセルとなり、編集部Ｔがインタビューしました。
Ｂ×Ｂハルク選手も「女子大生のフジ子ちゃんじゃないんですか・・・」と大変残念そうでした。
「授業なんです・・・」と女子大生ならではの事情ゆえ、お許しを。一番残念がっていたのは、実は当のフジ子ちゃんでしたので。