90年代から00年代にかけて、フランスのクラブシーンから世界に広がった「フレンチ・タッチ」と呼ばれるエレクトロ・ミュージックのムーヴメントがあった。日本でも大人気のダフト・パンクなどはその申し子とも言える存在で、ほかにもディミトリ・フロム・パリ、カシアスなどが世界中で名を馳せた。

この音楽シーンの軌跡を背景に、ハウス音楽に夢中になった大学生のポールが、友人と組んだDJデュオでクラブシーンのスターダムを瞬く間に駆け上がり、やがて時代の変化とともに姿を消してゆく20年間を描いたのが『EDEN/エデン』だ。

何と言っても音楽がスゴイ！この時代を知っている人なら、映画館のシートに身を沈めながらも思わず身体が動き出してしまうかもしれない。4つ打ちのハウスビートは今やあたり前にJ-POPにも使われているので、若い世代でもノレることは間違いない。

そして音楽の洪水の向こう側では、ポールの人生がめくるめくスピードで展開している。情熱、憧れ、勇気、不安、栄光、自信、慢心、倦怠、挫折…。音楽を浴びるようにして過ぎるクラブの一夜は、そのまま青春を現しているかのようだ。

この映画の骨格をなしているのは音楽であり、それを当時のクラブさながらの音響で体感できる場所は映画館の他にない。DVDでショボい音で観るのとはまったく違う体験になるはずです。ぜひ映画館にお越しください！

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