地元暮らしをちょっぴり楽しくするようなオリジナル情報なら、神戸市東灘区の地域情報サイト「まいぷれ」!
文字サイズ文字を小さくする文字を大きくする

神戸市東灘区の地域情報サイト「まいぷれ」

元町映画館☆特集

一献の系譜

日本酒が飲みたくなる、杜氏のドキュメンタリー映画

(c)2015映画一献の系譜製作上映委員会
(c)2015映画一献の系譜製作上映委員会
一献の系譜

今作は日本酒を作る上で欠かせない職人”杜氏”に焦点を当てたドキュメンタリー映画となっています。舞台は石川県能登半島。家族と離れて酒蔵の中でつきっきりで作業する。蔵全体の評判も左右するほどの責任を持つ”杜氏”能登には現代の吟醸酒の礎を築いたと言われている「能登杜氏四天王」がおり、その意思は後輩にも伝えられていました。
師匠と弟子とその家族がいかにして協力し、日本酒に向き合うか。その姿を追っています。

日本酒、その名の通り、国のお酒。普段何気なく飲んでいるこの美味しい日本酒に向きあう杜氏の姿を映画で初めて知りました。思えば、成人を迎えた学生のころ、乾杯と言えばビール。確かに美味い。しかし、酒のあてを知り、日本酒を知る。個人的なおすすめはこの時期、熱燗とホタルイカの沖漬けです。

個人の趣味は置いといて、本作では初の女性能登杜氏が紹介される。男性が多くを占める現場で日本酒のことだけを考える。インタビューでは彼女の日本酒に対する想いが語られ、そこには家族に対する想いも。

本作の監督、石井かほりさんは前作『ひとにぎりの塩』という作品を撮りました。今作と同じく舞台は能登。先日の京都での舞台挨拶では「日本の伝統」を大切にしたいと語っていました。

本作は日本酒の作り方を表現した作品と思われるかもしれません。日本酒は杜氏の手を加えられて初めて、私たちは美味しい日本酒を飲むことができます。そしてその伝統を支えるのは杜氏だけでなく、家族、そしてその土地があってこそ。この映画では日本酒の作り方はもちろんですが、現場で働く人の想いを映像を通じて感じて欲しいと思います。

そして、この映画を見たら必ず日本酒が飲みたくなります。お先に言います…

“いただきます、乾杯!”