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元町映画館☆特集

王の運命

壮大な親子ゲンカ、韓国スターの演技合戦

王の運命

「息子が父に水1杯も渡せぬと言うのですか」
この映画はこのセリフを聞くために見る、そんな映画だ。

舞台は1762年に実際に起きた、李朝で最も悲劇的な父子の確執として描かれているイ・サンの祖父と父の間に起きた「米びつ事件」を忠実に映画化した作品だ。簡単に言うと自分の思いどおりに育たなかった息子に怒った父親が教育のために自分の息子を米びつに監禁してしまうお話。

父親役には韓国の国民的俳優ソン・ガンホ、息子の世子はユ・アインと韓国スター二人が演じて、劇中ではまるで2人の演技合戦。ユ・アインは国のきまりを破ったために米びつの中に監禁されてしまう。自分の要望はまず通らない。なぜそのような状況になったか。それは互いの愛情が違った方向に向かったから。それを『王の運命』と題した配給会社は素晴らしい!どっちもがどっちのためを思ってやったことが裏目にでる。王は息子の経験のために自分の右腕となって執政をとらせるが予想をはるかに超える大胆さに恐れを抱く。息子は父のため、そして国を守るために行ったことが誤解を招く。これって現代の親子でもよく聞く話じゃないですか。互いを思ってやったことが裏目に出てしまい批判される。ましてや王宮「まぁまぁ」が通用しない完全なる縦社会。およそ250年経った今、日本でも同じことが繰り返されるなんて、それを映画で改めて知るなんて。

米びつに入れられた世子には子供がおり、その名はイ・サン。父と違い、勉学に励み、空気も読める。大人の争いも冷静に見つめるまさに良い子。この子役がまぁすごい演技。見ているこちらを引き込んでいくんですよ。小学生くらいであろうその子は何とか父を助けようと祖父である英祖に懇願する。寵愛していた孫をも懲罰の対象としようとする状況の中でもイ・サンは水を持ち、涙ながらに叫ぶ。一般のドラマならここで何とかなっちゃうが、本作は誰も幸せにならない。この発言ができるのは親である世子の教育が良かったからではないか。知らず知らずのうちに愛情は伝わっていた。すっごい皮肉が効いたシーンだったと思います。でもやっぱり登場人物4:6くらいでみんな不幸。

そして米びつに入れられた世子は協力を経てなんとから脱出する。泣いて歓迎する家族、そんな幸せな時間もつかの間、側近の裏切りによって人間不信に陥った世子は血を流す決意を固める。ここからは韓国スターの演技合戦。どっちかが死ぬまで、朽ちるまで互いを憎みあう。今みたいなSNS合戦ではなく、ある時は墓場にこもり、ある時は人を使って自分の地を固める。見ている観客はどちらの立場もわかっているから「ちょっと分かってあげてよ」と言いたくなる。

成人になった息子イ・サンはソ・ジソブが演じる。これもがっつり出演していると思いきや最後のわずか10分程度。しかし画面に溢れんばかりの安定感と良い息子だった、愛されていた、しかし本人は苦労していたんだな感を出してくる姿は必見。世の中のマダム、奥様方は「そら、惚れるわな」と言いたくなる。また韓国独特の伝統衣装が似合う。

男前出演、家族の愛も、お局同士の争いと三拍子揃った歴史大作は元町映画館にて上映中。やっぱり昔から出る杭は打たれるもんなんですね。

『王の運命』
上映スケジュール
7/30(土)~8/5(金)
連日10:30~