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元町映画館☆特集

ヴィヴィアン・マイヤーを探して

誰が彼女を知っているのか。ミステリーのようなドキュメンタリー映画

きっかけはオークションで偶然手に入れたネガだった。初めは何の価値もないものだと思われていた。それはいつしか写真界を揺るがすような大発見に…。となんだただのサクセスストーリーとは全く違いますよ。

あらすじ
アメリカの青年、ジョン・マルーフは自身の研究のためオークションで大量の古い写真のネガを手に入れる。価値があるともわからない彼はとりあえずブログにあげてみた(すっごい今風な方法)。それに大きな反響があったので撮影者の名前を検索するもヒットせず。撮影者の名前はヴィヴィアン・マイヤー。2年後やっとヒットするも画面にあるのは死亡記事。彼女は一体何者なのか。ジョンはやっとの思いで彼女の重要なポイントを手に入れる。彼女は写真家ではなくナニー(乳母)だったのだ…。

亡くなった偉人のドキュメンタリー映画はだいたい、本人のすごいところをタラタラと説明する。
「何がどうすごいのか」。本作は真逆だ。「ヴィヴィアン・マイヤー」が凄いのかどうかよく分からない。なぜ彼女を追うことにしたのか。ジョンは私たちのその時その時思う疑問を同じ目線、時間で解決してくれる。30分の探偵アニメのように尺をしっかり守る。観客に投げ放しにしない(裏を返せば初めから最後まで絶対見ないとわかりませんよ)。

謎をたどると彼女は乳母で、写真で飯を食っていこうなんてサラサラ思っていないような。街に出て通行人の写真を撮ったり、乳母として働く家族が事故に遭ったが救助するまでもなくカメラを撮り続ける。それが当たり前のように。他人は関係なく、自分のためでもなく、ただ写真を撮ることが彼女にとっての日常。純粋すぎるこの感情。

写真の知識が私にはありません。映画の中では彼女の撮影した写真が数点画面上に現れます。純粋に被写体を捉えて余分なものが画面にはない。そんな感じです。それを見る、知るだけでも本作は見る価値があるのではないかというくらい。

変人と言ってしまえば楽なんでしょうが、誰でも癖はある。彼女はその癖のおかげで誰にも邪魔されず、世間に自分の写真を広める欲も生まれず撮り続けることができたんではないでしょうか。誰の感情も傷つけず追っかけをするドキュメンタリー映画としては見応え十分です。

写真を撮りたくなるよりも、もっと写真が見たくなるそんな作品。

写真を撮る人は大好物なこの映画。写真を撮らない人はミステリーとしても楽しめる。
一つよくを言うなら彼女に撮られたらどんな風に自分が写真の中に活きるのか確かめてみたかった。

『ヴィヴィアン・マイヤーを探して』
9/24(土)~9/30(金)