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元町映画館☆特集

ケンとカズ

底辺からの這い上がりムービー『ケンとカズ』

ケンとカズ

底辺からの這い上がりムービー『ケンとカズ』

本作にであえたことは本当に良かった。「総制作費~円!」「~で1000万人動員した大ヒット作」という作品ではない。監督もキャストもほぼ無名で作り上げられている本作(公式チラシに記載あり)。しかし、こんな作品を作れる人たちがまだいたのか!!と思わせてくれるような勢いのある映像。「面白い映画を作ってやろう」という想いが画からはみでんばかり。

【あらすじ】
幼馴染で悪友でもあるケンとカズは自動車整備工場で働く一方、そこを隠れ蓑にして覚せい剤を売って儲けていた。しかし彼女が妊娠したことにより「真っ当な人生」を生きようとするケン。一方、カズは認知症の母を施設に入れるために金が必要なことを打ち明けられずにいた。互いの秘密を抱えたまま、カズはケンの反対を押し切って稼ぎを増やすため、敵対グループと手を組むが…。
この人物設定がなんとも今風。「そんな人もたくさんいるだろう。私の周りにはいないだけで」。

誰も悪くない。みんな自分を支えてくれる人、立場を守るために生きている。
なんて不器用な人たちだ。「幼馴染やのにどれだけ喧嘩するねん」とツッコミたくなる。仲ええんとちゃうんか?と見る側が心配してしまうくらいメンチをきりあうケンとカズ。でもこの二人、どこで見つけてきたんやろうかというくらい「ケンとカズ」感。うまく言えないが、この二人にしか”ケン””カズ”はできない。この二人だから本作が完成したと言ってもいいのではないか。何かに向かおうとする姿勢が言葉や動きにぎゅっと凝縮されている。


大声を出さないが静かに正論を言うケン。怒鳴りながら感情を一気に爆発させるケン。映像は結構、暴力的なシーンも多く、「うわっ」と目を背けたくなるシーンもある。でもなんだろう、この映像の力。演技者の力。どうしてもスクリーンから目が離せない。「最後までこの2人を見届けないといけない」と駆り立てられる。96分間、ずっと映像にかじりついていたのは久しぶりだ。どこにどう転んだってどん底。たまに見える希望でさえ、見る側には休憩させない。ずっと走り続けている。

出演者と作り手が日本映画の可能性を詰め込んだ作品。
こんなこと滅多に思わないけど、映画がこんな作り手の想いで面白くなるなんて思わなかった。
こういう日本映画を待っていた!!

『ケンとカズ』
11/26(土)~12/2(金)
19:40~
12/3(土)12/9(金)
16:20~