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元町映画館☆特集

きっと、いい日が待っている

誰にも明日が約束されなかった時代を生きた兄弟の物語

(c)2016 Zentropa Entertainments3 ApS, Zentropa International Sweden AB.
(c)2016 Zentropa Entertainments3 ApS, Zentropa International Sweden AB.
本当に、本作のタイトルに裏切られた。超ポジティブなタイトルに潜む、目を背けたくなる現実。こんなことがあってよいかと思いたくなるシーンの連続。

【あらすじ】
1967年のデンマークの都市、コペンハーゲン。母の病気が原因がきっかけである養護施設に送られることになった13歳のエリックと10歳のエルマー。弟のエルマーは先天性の足の病気を患い、うまく歩けず、兄のエリックがいつも見守る。しかしそんな仲良しの兄弟に起こる悲劇の連続。養護施設ではしつけの名の下、体罰が繰り返されていた。エリックとエルマーも教師やクラスメイトからもイジメの標的にされてしまう。勝気なエリックと、ある才能を開花させたエルマーはなんとかしてこの施設から抜け出そうとするが…。

養護施設という名の監獄。外から一切遮断された場所で戦う少年2人。見ている側がついつい目を背けたくなるような描写の連続。幸せは彼らのもとにやってこないのか。途中で彼らの才能に気付く先生もいるがこれがなんとも頼りにならない。そしてなんといってもラース・ミケルセン演じる校長先生の迫力がとんでもない。年末恒例のガキ使の蝶野さんのビンタが可愛く見えてくる。立っているだけ、しゃべっているだけで恐怖の存在。絶対王政。何かいえば叩かれて、提案しても優しく罵声を浴びせられる。そしてこの校長あっての職員あり。男性教諭も愚の骨頂。児童たちをとことんまで精神的に追い詰める。

と、ここまで救いようのない話にきこえますが、そんな悪者がいるから、子どもたちの活躍がより一層感動を生みます。いじめにあえば「霊になること」に徹してできるだけ目立たないようにいきていく、そして15歳になったらもらえる退園許可証に唯一の希望をかけてただただ耐える。そしてさらなる悪徳教師が現れれば自分たちの力で教師をギャフンといわせる行動力には圧倒されます。1960年代に起こったできごとをモチーフになっていますが、現在では当時の話が世間に公表されました。その施設で暮らしていた当時、児童だった数名は今も精神的な後遺症に苦しんでいるそうです。


この映画は決してサクセスストーリーなんかではありません。この虐待や暴力を正面から捉え、社会を痛烈に批判しています。当時の彼らには反対意見を言う相手、暇さえなかった。それによって苦しんでいる人がいることを明記したラストはまさに私たち観客へのメッセージだと思います。「きっと、いい日が待っている」、諦めちゃいけない。当たり前のことをデンマーク映画で学ぶとは思いませんでした。しんどいかもしれない。でも見て欲しい。これも現実だから。(芋羊甘)

『きっと、いい日が待っている』
1/13(土)~1/19(金)
12:20~
1/20(土)~1/26(金)
10:30~