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元町映画館☆特集

果たして裁かれるのは誰なのか『裁き』

インド国内に隠れる、静かで歴史ある現実を炙り出す法廷劇

世の中では歌って踊る痛快なエンタメ作品がいたるところで上映されています。
ハリウッドに次ぐ、大規模なインドの映画産業「ボリウッド」もいつの間にか私たちの間に浸透してきました。
最近ではなんと言っても伝説の戦士の活躍を描いた『バーフバリ』(監督:SS・ラージャマウリ/インド/2017)が大ヒット中だそうで、近くのミニシアターでもあっという間にチケットが完売するそうです。
本作はド派手な要素は一切なく、戦士も登場しません。ただ静かにインド国内に隠れる、静かで歴史ある現実を炙り出す法廷劇です。
 
こんな話
ある年老いた民謡歌手が逮捕された。その理由は「近くにいた若い下水清掃員が自殺した。あなたが歌った歌は自殺をほう助していました」というトンデモ内容。ある弁護士は何とかその老歌手を助けようとするが
いやぁ驚きました。国が違えばこんなにも考え方も違うものかと。法定もんは好きなジャンル。いくら苦しい弁護時間が続いても最後にはどんでん返しが待っている。そんな期待を本作に抱いていました。
ひっくりかえされました。まず弁護士以外、みんな本当にやる気があるのかというくらい淡々と仕事をこなしていきます。一人の審問も5分程度で終了してしまう。弁護士もやる気なしなら一言で終了。目撃者もなんと雇われ、つまりアルバイト。裏取りをせずに警察に雇われて証言したことが法廷内でバレてしまうこともしばしば。でもみんな「いつものことだろう」みたいな顔で特に驚きません。こっちは驚きしかありません。
この映画の一番印象に残ったところ。それは家族の団欒。人の人生を左右するような仕事に就いていても一人の人間。食事も摂ります。しかしそこでの家族の会話に注目してもらいたいです。例えば弁護士の息子に向かって「良い人はいつ現れるんだ?相手はいるのか」。これに対して、息子は反論し、キレて退場する。仕事さながら論破するかと思いきや感情論。法廷では感情を押し殺してる分、ここで吐き出しているかと勘ぐってしまいます。こういうシーンを見ると日本人と似ている、同情してしまうなと。
監督が伝えたかったのは何か。全編通して探すのも面白いです。法定劇だと思っているといい意味で裏切られますよ。
『裁き』
(監督:チャイタニヤ・タームハネー/インド/116分)
上映スケジュール
3/24(土)~3/30(金)12:10
3/31(土)~4/6(金)12:20