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元町映画館☆特集

自分の居場所を見つけられる場所『子ども食堂にて』

社会的役割を持ち、さらに「里親制度」も交えたドラマにもなっている作品

全国的な広がりをみせる「こども食堂」。当館があるここ神戸市、そしてお隣の明石市も力を入れて盛り上げをみせています。こども食堂と言っても食事をする場所だけでなく、その親やこども食堂で働く人が集まる、交流する場所としても機能しています。そんな社会的役割を持ち、さらに本作では「里親制度」も交えたドラマになっています。

こんなお話
「こども食堂」でボランティアを始める千晶(ちあき)は親の虐待から立ち直った過去があった。こども食堂には親と上手くいかない子に加えて子育てに苦悩する親の姿も。ある日、千晶は里親のもとで暮らす一人の高校生の悩みを聞き、何が自分にできるのか苦悩する。果たして千晶は自分の過去と向き合いどんな選択、行動をするのか…。

文部科学省選定。チラシには「こどもたちが、幸せになりますように。」というフレーズそのまま、日本に暮らす子どもたちが今、どんな風に過ごし、そして子ども食堂に通う子らはどんな背景を持つのか、それが丁寧に描かれる。そこで食事をする子(といっても年齢は小学生から上は中学生くらいまで)は親がいる、いても愛情を注がれていない…など本当に様々。一方働く大人(本作の主人公も20代と若い)もただ善意で働いているばかりじゃない。各々で「子ども食堂」に自分の居場所を求めてたどり着いたような描写がある。特に千晶は親の虐待から立ち直った過去を持つ。このことからも大人側でも事情を抱えていることが見えてくる。一筋縄じゃいかないのだ。子どもたちは居場所を求めて、そして大人たちは何ができるかを探している。

それぞれの事情が交錯しながら、映画は中盤、里親として一緒に暮らす母と息子の話へ。成長してから出会う生みの親と、育ててくれた母という存在。逢うべきか悩む息子に育ての母は会うべきだと。各々の本当の想いを少しずつ出しながら、息子は生みの親と出会う。出会うべきだったかどうか、成長したその後は作品の中で語られることはないけれど、それを想像するのも映画を観た側の課題なのかもしれません。
こども食堂にて
(監督:佐野翔音/2018/日本)

上映スケジュール
9/28(土)~10/4(金)連日11時より