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元町映画館☆特集

泥まみれのヒーロー<ジャンゴ>映画の記念すべき第1作 『続・荒野の用心棒』公開

とにかく自由なアクション映画、それがこの『続・荒野の用心棒』だ

お金があれば、豪華キャスト、セットを立て、長期ロケ。衣装にも食事にもお金をかけることができる。そんな当時のハリウッド映画とはほぼ真逆を行くのが砂埃まうマカロニ・ウェスタン。音楽が流れれば、勝つ、そんな勝利の方程式はここでは通用しない。熱湯注意と書かれているのに浸かると氷水…というような信じちゃいけないできごとの数々。でもたまに見せるドジくさいところが共感できる。それがマカロニ・ウェスタンの魅力だと考える。もちろん、カッコ良いシーンもあるけどそれはもう一瞬だ。しかも圧倒的だ。

1966年に製作。巨匠セルジオ・レオーネ監督とともにマカロニ・ウェスタンを牽引したセルジオ・コルブッチ監督によるイタリア製西部劇。起承転結、はっきりとしたハリウッド西部劇とは違い、どこまでも突き抜けたアクションと恋愛、裏切り…etc。とにかく自由なアクション映画、それがこの『続・荒野の用心棒』だ。

あらすじ
メキシコ国境沿いの村。棺桶を引きずるある男。その名はジャンゴ。彼は通りかかった土地でメキシコ革命軍と元南軍兵士の抗争に巻き込まれていた女マリアを助けた。酒屋に着くと棺桶をそばに置き、酒を飲む。そこへ殺された兵士たちの仲間が。報復とばかりに集団でジャンゴを囲い込む。彼らを一蹴するジャンゴ。しかしそれはこれから始まる血みどろの戦いの始まりに過ぎなかった…。

ポスターを置いているだけで立ち止まる元少年たち。60~70年代に少年時代を過ごした今はシニアのお客様が食い入るように見る。口を開けば「3本立てで観たわ。テレビでよく観てたわ」。誰も本作の映画の内容が出てこない。中身がない映画なのか…いや違う。主人公ジャンゴは一人で体制に立ち向かう。何度襲いかかってきてもやられたらやり返す。時には仲間を出しぬき、大金を独り占めしようという欲深い人間、そして愛される人間だ。本作のヒットをキッカケに「ジャンゴ」という名前は世界中に広まり、以降50本の以上の作品にその名前が流用されたという。

アクションシーン、男前だけでは有名にならなかっただろう。特に好きなシーンがある。ジャンゴが仲間たちを出し抜き、お金を盗み出すシーンだ。お酒を飲んで浮かれる仲間。その中でジャンゴは一人冷静を保ち、女性を誘うこともしない。口実のために女性と2階へ上がり、女性には服を脱ぐ仕草をゆっくりするように指示する。それに見惚れる門番をよそにジャンゴは金の隠し場所へ移動する。古典的な演出だが、そのシーン前には残虐な強奪シーンの連続だった。あまりに呑気な仲間と亀のように音を立てずに歩くジャンゴ。マヌケ対比はまるで観ている方に「ここは休憩ですよ」と言ってくれているようにも思える。もちろん「その後はすごいシーンがありますよ」という期待感も同時に思わせてくれる名シーンだ。相棒の棺桶はとんでもない重さだ。運ぶ度に音がする。「いや、ここで気付くだろう!!」と声を出しそうになるが、これがマカロニウェスタンの魅力かもしれない、「自由さ」。

そして怒涛の後半戦。抜け出したジャンゴ、そして好きになってしまった女マリア。彼らは無事に生き残ることができるのか。権威に対抗できるのは銃か、金か、自由さか。ぜひその答えはスクリーンでお確かめください。
続・荒野の用心棒
1966年/イタリア・スペイン/93分/カラー/ビスタサイズ/DCP/
原題:DJANGO
監督・原案・脚本|セルジオ・コルブッチ
撮影|エンツォ・バルボーニ 音楽|ルイス・エンリケス・バカロフ 主題歌|ロッキー・ロバーツ
出演|フランコ・ネロ、ロレダナ・ヌシアク、エドゥアルド・ファヤルド、ホセ・ボダロ、ジミー・ダグラス、アンヘル・アルヴァレス
提供|キングレコード 配給|コピアポア・フィルム
(c)1966 – B.R.C. Produzione Film (Roma-Italia) Surf Film All Rights Reserved

上映スケジュール
3/7(土)~3/13(金)連日10:00より上映