地元暮らしをちょっぴり楽しくするようなオリジナル情報なら、神戸市東灘区の地域情報サイト「まいぷれ」!
文字サイズ文字を小さくする文字を大きくする

神戸市東灘区の地域情報サイト「まいぷれ」

元町映画館☆特集

偉大なる音楽家 ミシェル・ルグランの音楽と映像が幸福に結びついた代表作を一挙上映 「ミシェル・ルグランとヌーヴェルヴァーグの監督たち」

2019年にこの世を去ったフランス音楽界の巨星ミシェル・ルグランの作品を上映いたします

やっと夏が去り、秋を迎えようと準備していた矢先の残暑、台風、残暑。
たまに涼しい風が吹いて「あ、秋かな」と思えば、ゲリラ豪雨。そんな天気に悩まされながら気づけばもう10月も間近。今、ご紹介したいのはそんな天気の中でも映画館に出かけて観てほしい作品たちがあるから。「ミシェル・ルグラン」この名前にピンと来る方は映画館へぜひ足をお運びください。

2019年にこの世を去ったフランス音楽界の巨星ミシェル・ルグラン。50年代から創作活動をはじめ、音楽だけでなく、映画運動「ヌーヴェルヴァーグ」で活躍した映画監督たちとタッグを組んだ作品の数々は今でも映画館を華やかにします。今回はその作品から7作品を特集上映。

特に観て欲しい2作品

『シェルブールの雨傘』
フランスの港町シェルブールで働く傘屋の女性と、戦場に行く前に出逢ってしまった素敵な男性。彼らの純粋で小さい恋は時間とともに消えて、そして再開…。全編、セリフがミシェル・ルグランらによる音楽でミュージカルとなり、舞台のシェルブールが登場人物たちの個性を際立たせる。なんと言っても大女優カトリーヌ・ドヌーヴの少女役が何よりも美しく、ミシェル・ルグランの華やかで、尚且つ、寂しげな旋律と相まって、物語を喜劇とも悲劇とも思わせる。音楽の映画における可能性、登場人物を際立たせる明らかな「効果性」を見せつけられる。これを映画館でスクリーンで浴びる、感じることの幸福さは圧巻です。

『女と男のいる舗道』
巨匠ジャン=リュック・ゴダール監督と大女優アンナ・カリーナが組んだドラマ。パリのあるカフェ、夫との人生を諦めた女性は街に出て売春婦になる。お金のために見ず知らずの男性と関係を持つ女性は無感覚に陥り…。『シェルブールの雨傘』とは打って変わり、全編ルグランの哀愁ただようメロディーが映像を彩る。画に対して圧倒的な存在感を見せるアンナ・カリーナ。その存在感をカメラを通して自由にさせるゴダール。それをはみ出さないように綺麗にそして形づけることなく流れ続ける音楽。映画にテンプレはない、観客によって解釈は自由。もし分かりやすい映画を求めているなら、この映画は合わないかもしれない。どこがスタートだったかも分からなくなる。それでも観終わったあとの多幸感はなんだろう。フリー・ジャズのように自由でどこを切り取っても画になる映画は本当に珍しい。そして誰にもマネはできません、たぶん。

2020年になった今でも映画好き、そして初めて触れた人を映画の世界に引き込む力をもった珠玉の7作品、どうぞスクリーンでお楽しみください。
特集上映「ミシェル・ルグランとヌーヴェルヴァーグの監督たち」

【上映作品】

『ローラ』(監督:ジャック・ドゥミ/1961年/フランス/88分)

『5時から7時までのクレオ』(監督:アニエス・ヴァルダ/1961年/フランス=イタリア/90分)

『女は女である』(監督:ジャン=リュック・ゴダール/1961年/フランス=イタリア/84分)

『女と男のいる舗道』(監督:ジャン=リュック・ゴダール/1962年/フランス/84分)

『シェルブールの雨傘』(監督:ジャック・ドゥミ/1964年/フランス/91分)

『ロシュフォールの恋人たち』(監督:ジャック・ドゥミ/1967年/フランス/127分)

『ロバと王女』(監督:ジャック・ドゥミ/1970年/フランス/89分)

上映期間:9/27(日)~10/9(金)
タイムテーブルはこちら