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元町映画館☆特集

今週の映画!『3泊4日、5時の鐘』

支配人・林さんがオススメする、今週の映画をチェーック!

夏の湘南・茅ヶ崎を舞台に、男女7人の思いが交錯する映画『3泊4日、5時の鐘』。弱冠27歳の若手監督、三澤拓哉のデビュー作である。

軽やかなジャズに乗せ幕を開けるこの映画は、登場人物が増えるにつれそれぞれの関係のちぐはぐさや歪さが浮き彫りになり、観ていてハラハラするのだが同時におかしさがこみ上げてくる。登場人物たちはみな一様に真剣なのだが、これは紛れもないコメディなのだ。

だいたい出てくる女たちが全員面倒くさい。胸の内で渦巻く思いを吐き出せずに自爆する女、空気を読まず思うままに行動して周囲のイライラを募らせる女、正論という鎧の奥に誰より強い承認欲求を潜ませる女…。言葉で読むと「なんちゅーヤツだ」と思うかもしれないが、実際に映画で観ていると「いるいるこういうヤツ」、なんである。なんなら自分の身にも覚えがある。

この人物造形のリアルさがすごい。若手の男性監督にしてなぜこんなに女のリアルな行動を描けるんだろう。「人間観察が趣味」という三澤監督だが、その観察力の鋭さはオソロシイほどだ。近しい関係だったらきっと自分も思い返したくもないような言動をこっそり拾われて作品に反映されてしまうだろう…ああオソロシイ。

面倒くさい女たち、そんな女たちの間をふらふらと漂う男たち。渦中にいるとわからないものだが、リアルな人間関係を観客というある意味「神の視点」で俯瞰できるのが映画の面白いところだ。きっとあなたの姿もあるはず!

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