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元町映画館☆特集

光のノスタルジア

歴史のことは知らなくても、知りたい気持ちを持っていれば映画はきっと応えてくれる

ウィーン、ギコギコギコ、ガシャン。

どこかの工場音、あるいはカッコ良いロボットの可動音から始まる。舞台は南米チリ。さっきの音の正体は巨大な望遠鏡の可動音だ。

今作は生命の誕生のきっかけを探す天文学者と自らの遺族を広大な砂漠から探すもの。この両極端に位置する人々を捉えたドキュメンタリー映画となっている。

“生命の起源をたどる”

途方も無いことに思えるが、映画に出てくる学者は皆、イキイキとしている。しかし、この映画、そこが重要では無い。

チリにあるアタカマ砂漠。そこはかつて独裁政権で虐殺された人々が埋められている。しかしそこに遺骨が眠っている保証は無い。遺族は骨の一欠片でも探そうとしている。20年間、やめないものもいる。

なぜ、彼らはそこまでするのか。
“さがす”という言葉。発音は同じでも立場が変われば求めるものも変化する。

キラキラした星の群れと思いきや、場面は変わり、途方もない砂に向かいスコップを立て掘り進める。星粒と砂粒、綺麗なそれらが過去にあった出来事を対比している。

両親を逮捕され、祖父母に育てられた娘。今では成長し、子供の頃、支えとなった天文学を使って働いている。自身の子供を抱いて両親の大切さ、生命について語りだす。

チリで実際に起こったこと、そして今も続いている”生命の探求”私は全く、この事実を知らなかった。遺骨をさがす遺族は今も見えない未来をさがす。

映画のラスト、ビー玉がテーブルに並べられてナレーションが入る。その時の言葉は注目だ。

この作品のパトリシア・グスマン監督。今作以外にも当館で2/27公開の『真珠のボタン』も同じくチリで撮影を行っている。歴史のことは知らなくても知りたい気持ちを持っていれば映画はきっと応えてくれます。

光のノスタルジア
2/27(土)~3/4(金) 12:20~
3/5(土)~3/11(金) 14:00~
※2/27(土)は上映終了後、スペシャルトークあり

真珠のボタン
2/27(土)~3/11(金)公開